がいさんの栽培日記

本当は1ダース欲しいけど9枚で良いと言えるようになりたい人のブログ

固定費について考える~生命保険の嘘

生命保険の嘘: 「安心料」はまやかしだ
後田 亨 大江 英樹

小学館

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大半の保険が掛ける価値のないものであることは、昨今よく言われているのですが、仕事の付き合いで他人の保険の話を聞いていると未だに年に何十万もの保険料を払っている方が多いようです。(保険料控除の上限なんてゆうに超えています…)

この本では、一人の著者が保険の営業の実体験を元にした話を展開し、それを受けてもう一人の著者が行動経済学の観点からその体験を分析しています。

内容は分かりやすく勉強になると思います。

以下は気になった文章です。

「ネーミングはマーケティング上、非常に重要です。(中略)例えば「学資保険」は、金融商品として史上最強のネーミングだと思います。これほど"目的"がわかりやすく、かつ情に訴える力を持ったネーミングはほかの金融商品ではなかなかありません。「これを買わない奴は親として失格だ」くらいのインパクトを持って消費者に迫ってきます。(中略)保険を使うのではなく、子供の成長に合わせて貯金すれば済む話です。」

「人間は誰しも「都合の悪いことは聞きたくない」気持ちが強いものです。今加入している保険の悪い部分を説明された場合、それがどんなに正しい理屈であってもけっして良い気分にはなりません。それによって変化を好まない心理を現状維持バイアスとも言います。」

「保険会社のCMに見られる「身近な経験や感情に訴える」方法はヒューリスティックの一つである利用可能性バイアスが利用されているのではないかと思います。(中略)思い出しやすい出来事に引きずられ、記憶のバランスが崩れて予測に偏りが生じるバイアスのことを指し、ほぼ例外無く誰もが陥ってしまうからです。(中略)それは身近な人ががんに罹ったことのある多くの人に対する利用可能性バイアスを利用しているのであって、確率とコストによる冷静な判断から遠ざけようとするものです。」

保険料を払うことで万一の時の安心を買っている、といる方もいるようなので、真っ向から否定することは出来ません。

ただ、保険料は毎月発生する(固定費)ため、見直すことによる削減効果はかなり大きいように思います。

私の方針としては、今後も保険は掛けず、投資活動を通じて有事に備えたいと思います。