この著者の本は「まぐれ」を学生時代に読んだことがあり、いまいち理解することが出来ませんでしたが、社会人になり投資にも取り組むようになったため、図書館で借りてきました。
やはり内容として難しさは感じますが、具体例が多いので時間をかければ私でも読めないということはなさそうです。自分の予測に自信を持っている個人投資家の方には是非読んで欲しいと思いました。機関投資家の方は、さすがに理解した上で予測をしているのでしょうし。
ちなみに、題名であるブラック・スワン(いわゆるコクチョウ)は1697年にオセアニアで発見されるまではいないと考えられていたそうです。見つかるまでは無駄な努力を表す言葉として「黒い白鳥を探すようなものだ」という英語のことわざがあったそうですから、当時はとても驚かれたのではないでしょうか。
以下は気になった文章です。
「私たちは、私たちは学ばないということを私たちは学ばないということを自然とは学ばない。(中略)私たちは法則を学ばない。事実ばかり学ぶ。事実しか学ばない。」
「治療より予防のほうがいいのは誰でも知っている。でも、予防のために何かをして高く評価されることはあまりない。本に書かれることもない貢献をした人たちの犠牲のうえに、歴史の本に名を残した人たちを、私たちは崇め奉る。」
「私たちは強がりでリスクをとるのではなくて、何も知らないから、そして確率を見るのに不自由だからリスクをとるのだ!(中略)私たちは外れ値や不利な結果を無視してしまいがちなのを詳しく見ていく。」
「黒い白鳥には三つの性質があると書いた。予測できないこと、重大な影響を及ぼすこと、そして後から振り返ると説明がつけられるということだ。」
投資においても、成功したら「運が良かった」、失敗したら「努力不足だった」ぐらいに思っていた方が良いのかもと思います。