この本は本多静六氏の人生経験を基礎に書かれた、お金に関する本です。
財産やお金儲けといった話になると、どうしても自慢話になってしまい、正直なところがなかなか語りにくいものですが、著者はそれを覚悟の上で赤裸々に告白しています。
(#今はネットで色々話せるので良い時代になりました!)
著者はまず節約なくしては財産を作れないと考えており、節約生活について詳しく書かれています。さらに、財産を作った後、それをどう使うべきなのかについても多くのページが割かれており、これも非常に参考になりました。
以下は気になった文章です。
「苦しい苦しいで普通の生活をつづけて、それでもいくらか残ったら・・・と望みをかけていては、金輪際余裕の出てこようはずはない。貧乏脱出にそんな手温いことではとうてい駄目である。(中略)容赦なくまずその四分の一を天引きにして貯金してしまう。そうして、その余の四分の三で、いっそう苦しい生活を覚悟の上で押し通すことである。」
「自分のネウチが銀もしくは銅でしかないのに、暮らしの方は金にしたい。金メッキでもいいから金に見せかけたい。こういった虚栄心から多くの人が節倹できないのである。(中略)実力以下の銅なり、鉄なりの生活から出発していくべきだろうではないか。」
「世間から吝嗇とわらわれつつ金を残すか、あるいはまた世間から気前がよいとおだてられつつ一生ピイピイして過ごすか、(中略)前者は初めケチン坊と罵られても、のちには実力の蓄積によって本当に気前のいい人になり切ることもできるが、後者は気前のよさにおいても実は大したこともできぬくせに、のちにはかえって哀れなものよ、馬鹿よ、意気地なしよと罵られ、ついには他人に迷惑をかける。」
一言で言えば、身の程を知れ!ということですね。
若いうちに遊ばなくてどうする、年をとってからじゃ満足に遊べないよ?と実生活でもたまに言われるのですが、私はそれでもお金を貯めていきたいと思います。
と、いうより、散財するよりも、今は財産を殖やす方が楽しく感じています。十分人生を楽しめています。