この本は行動経済学について書かれた本です。良いと思って買ったものの、後から考えてみると無駄な出費だったと思うことは誰でも経験があると思います。このような一見不合理なお金の使い方をしてしまうのは何故なのか?ということについて書かれています。
実は私は昔勤めていた会社の退職金をギャンブル(サッカーのブックメーカー。ちょうどワールドカップだった、そして日本の予選敗退とともに退職金の大半も消えた/涙)に突っ込んでしまったことがあります。
今から考えるとなんて馬鹿なことをしたんだろうと思うのですが、そのときは「退職金は泡銭、どうせ大した額でもない」と考えてしまったことを覚えています。
この本を読んで、何故私がこんな馬鹿なお金の使い方をしたのかがよく分かりました。耳が痛い内容でしたが、本自体は事例をあげて易しく書いてあるのですらすらと読むことが出来ました。
以下は気になった文章です。
「行動経済学者が「心の会計」と呼ぶ概念を説明するのに格好の例である。(中略)すなわち、あるお金をほかのお金よりも価値の低いものとみなし、無駄づかいをしてしまう傾向のことである。」
「あなたは現在住んでいる家の奥まった小部屋に天窓をつけるのに、三千ドルを支払うだろうか? 払わないのなら、新しい家を買うときも、その余分なものをつけてはいけない。十五万ドルの家を買うとき、三千ドルは大した額とは思えないかもしれない。だが、そのお金は当座預金の三千ドルとまったく同じ価値があるのだ。」
人は、自分で思っているよりも(はるかに)合理的ではないのだと思いました。投資を行う上でも、私が賢明な投資家であるはずがない!ということをしっかりと意識して臨まなくてはいけないですね。
この本は投資家の方以外にもおすすめできる本だと思います。また、投資はしたいけどお金が貯まらないんじゃという人は私と同じように図書館で借りてくるのが良いでしょう。きっと無駄遣いが減ると思います。