株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす
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ジェレミー・シーゲル 瑞穂 のりこ
日経BP社
売り上げランキング: 48,249
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この著者の本はずっと読んでみたいと思っていましたが、図書館に置いていないのでなかなか読む機会がありませんでした。今回は自分への就職祝いということでインターネットで注文して本棚に加えることにしました。
ここ最近の株ブームの傾向として、「アベノミクスで株価が何倍になった!」などなどいわゆるキャピタルゲインが注目されていますが、この本では投資家に真の利益をもたらすのはインカムゲイン(配当、そして再投資)であると説かれています。
私が面白いと思ったのは、最も成長性のある企業が投資家にとって最も良い企業とは限らないという点です。よく考えてみれば当然のことなのですが、成長力のある企業に過大な評価をしがちな私にとっては良い薬となりました。
以下は気になった文章です。
「株式の長期的なリターンは増益率そのものではなく、実際の増益率と投資家の期待との格差で決まる。(中略)期待度を測る最良の指標は、株価収益率(PER)だろう。」
「投資期間を長くとり、配当を再騰しする投資家にとって、下落相場はさほど打撃とならないだけでなく、この時期を通過することで、かえって財産が増える。市場全体が下落する局面ではたいてい、配当が減少する以上に株価が大幅に下落する。」
この本では米国株式の長期的なリターンとリスクについてセクター毎に詳しいデータが載っているため、内容にとても説得力があります。成長力のある時価総額の低い企業への投資は非常に楽しいのですが、そういった投資が好きな方にも是非一度読んでほしいと思います。